目次
ご挨拶
謹啓
時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は格別 のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、私どもは、製販分離及び配置販売業の永年の継続を目的として、平成21年9月、一般社団法人日本配置販売業協会を立ち上げました。
現在、配置販売業界は、平成21年6月施行の改正薬事法により既存配置販売業と新配置販売業の2つに分類されましたが、私ども協会は、既存、新配置販売業にかかわらず、配置販売業界の永年の継続を目指すべく、既存配置販売業者に課せられている「一定水準の研修・講習」を厳密に全うし、配置販売業向けの新資格制度を樹立することにより、現在2つに分離された配置販売業を一つにし、又、配置販売業界に種々存在する各団体が共通意識・共通目的をもって行くための受け皿になっていく所存でございます。
皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
謹白
一般社団法人日本配置販売業協会
代表理事 右近 保
平成22年6月吉日
概要
- 名称
- 一般社団法人日本配置販売業協会
(平成21年9月17日設立) - 所在地
- 〒105-0012
東京都港区芝大門2-4-5
芝ダイヤハイツ207号 - 電話&FAX
- TEL:03-6459-0636
FAX:03-6432-4870 - 会長
- 右近 保
(株式会社新日配代表取締役) - 副会長
- 山田 正行
(株式会社中京医薬品代表取締役)
前田 泰一
(マエダ薬品商事株式会社代表取締役会長)
目的
- 改正薬事法の主旨に則り、医薬品の販売に関し、国民に安心と安全を提供する。
- 製販分離を図り、販売業者の立場を確立する。
- 配置販売業向け資格制度の確立を目指す。
- 既存配置販売業の永年の継続を法的にも構築する。
- 既存配置販売業者に課せられている資質向上努力義務
(改正薬事法附則第12条、平成20年1月31日付薬食発代0131001号厚生労働省医薬食品局長通 知及び平成21年3月31日付薬食総発第0331001号厚生労働省医薬食品局総務課長通知)に基づく、既存配置販売業者の資質向上にかかる一定水準の教育を行う。
目的
厚労省の示す一定水準に対応し、透明性・公開性を全うしている体体制を確立する
【具体的内容】
- 1. 対象者
- 既存配置販売業者の全従業員
- 2. 内容
- 添付内容のとおり
- 3. 時間数
- 通信教育2~3ヶ月 座学15時間(2日間)
- 4. 実施機関
- 第3者機関(日本薬業研修センター)
- 5. その他
- 毎年継続して行う。
活動方針
- 薬業連協議会の一員となり、薬業他団体との交流を深める。
- 教育制度にて全面協力を戴いている日本薬剤師会との連携を深める。
- 薬業協議会及び日本薬剤師会の協力を得、厚生労働省を始め、官公庁との連絡折衝を行っていく。
- 平成21年12月1日施行の特定商取引法などの配置販売業関連法規につき情報提供を行うとともに、経済産業省(窓口は、地方経済局)への対応、折衝を行っていく。
- 将来的には、配置販売業(販売のみ)の他団体との融和・合体を目指し、配置販売業界全体としての意見統一を図っていく。
配置業を取りまく環境の変化と期待できる状況
およそ300年近く続く配置販売業ですが、その間、例えば、明治維新後漢方医学が廃止され、配置販売の薬が苦境に立たされたように、さまざまな困難な時代がありました。
21世紀の今日、配置販売業を取り巻く環境の変化は、300年の配置販売業史の中でも最もドラスティックなものと言えます。1914年の「売薬法」、1943年の「薬事法」、そして1960年の「薬事法」の改正と、次々に配置販売業の制度や法律が整備されてきました。
2009年6月から施行された『改正薬事法』において、医薬品販売業の業態が再編され、配置販売業も原則として配置員は全て薬剤師または登録販売者であることが求められるようになりました。但し、現に営業している配置販売業者については、従来どおりの配置販売業を営むことも認められます。この改正薬事法によって、講習会受講の必要など配置販売業の制度的な環境は以前に比べて厳しいものになりました。
従来は、病院と薬局、そして配置販売業の配置する薬が大きな薬の市場でしたが、近年IT環境の進展と共にインターネットでの販売、あるいは巨大ドラッグストアチエーンやスーパー、コンビニでも買えるようになり、相対的に市場が狭まったことがあります。
戸別訪問は、配置販売業が得意とするものですが、その訪問する家庭環境も大きな変化を迎えています。配置薬の便利さなど使い慣れていた高齢者が一緒に住む大家族から、核家族化が進んでいること、また心無い各種セールスマンのために戸別 訪問の信頼が失墜し、戸別訪問そのものを拒否する家庭の増加など、この面 でも市場環境が変化しています。そして核家族化は「置き薬」の家庭内での伝統的な継承を希薄化しています。
しかし、こうした環境の変化は、配置販売業を発展させる可能性も秘めていると言えます。
現代社会のさまざまな傾向は、配置販売業の特徴によって決してマイナスばかりではなく、むしろ考え方を変えれば、今から将来こそがビジネスチャンスとも言えます。
薬を扱う配置販売業は、予防医学と早期治療に寄与できます。それは膨大に膨らんだ医療費削減という社会的な使命でもあります。ホームメディカルとかセルフメディケーションとか叫ばれる理由は、膨張し続ける医療費を少しでも減らそうという目論見からです。
日本の医療制度では、予防医学が軽視されてきましたが、家庭に常備する薬やサプリメントや健康食品で、早めの手当てにより重症化を防ぐことや、健康増進への努力は、医療費高騰への歯止めとして大きな貢献になります。
IT時代とはいえ、超高齢社会では、パソコンの使用ができないためにネットで販売されている薬が買えない、また郊外の大型店舗に出かけられない高齢者、障害者も少なくありません。そうした高齢者、障害者のためには、戸別 訪問してくれる配置販売業は必要な存在になります。
また、事業所への配置が可能になりましたから、ワンコイン風邪薬など使いやすい工夫をして、新たな市場開発が出来ます。
さらには、災害の多発とそれに対応できる可能性のある配置販売業への期待、地域で孤立化し増加する高齢者への配置販売業の貢献の可能性、ふれあいの希薄化する地域での貢献の可能性など、社会の諸問題に配置販売業ならではの対応の可能性が今まで以上に生まれています。
21世紀は、まさに伝統の知恵を未来に生かす時代、配置販売業はそのシンボルとでも言えるものとして、社会貢献することが我々の責務と言えます。